ライダーが生み出すボードの進化

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ライダーというのは「ブランドの広告塔」という印象もあるが、メーカーにとって一番の役割は商品を進化させる協力者であることだと思う。

 

昨年から一つ気になっていたことが形になった。そして今回もまたそのきっかけはライダーからだった。

遅くなったが先週末ロックウェイブプロチームの池田雄一プロが誕生日を迎えた。ちょうどその少し前に彼から依頼をもらっていた「大波チューブセッティング」のボードを届けた。実はそこに一つの「Try」を盛り込んでいた。今このブログを書いている時点で、彼はまだそれを知らない(笑)

【スピードが速く、ターンでも扱いやすい。】言葉にするととても短いのだが、そんな短い言葉の意味を変える努力をもう18年続けてきた。10年前よりもロックウェイブのボードは大きな進化をしてきているし、今回の発見も小さなものではない可能性を秘めている。

 

フレックス。しなり。

 

僕が何よりも大切にしてきたもの。そして決して終わることのないテーマ。

i-FlexCore(ノーズとテールのフレックスが違う2つのコアを組み合わせたオプション)を作り始めた当時から、今も形状はさほど変わっていないが、実際のオーダーに対してどのレベルにセットアップしてアウトプットするかの精度は蓄積された情報量により大きく変わった。南北に長い日本に水温に対する考慮はとても大切で、東北や日本海エリアの冬のサーフを楽しいものにするにも、今現在このオプションはとても大きな役割を担っている。

 

そして宮崎。メンズプロの実力者、池田雄一プロ。

 

何もi-FlexCoreは「フォームを組み合わせたオプション」という意味だけではない。僕の中ではむしろi-FlexCoreはスピードとターンという相反する要素を両立するための「概念」であり、水温や環境に合わせて自由に対応するものだと考えている。オプションという敷居は料金を決定するのに必要なもので、無償提供しているライダーに関してはその制約もない。
ここまで書いてなんなのだが、最近雄一のボードはあまり変わっていないので、オーダーも減ってきていた。いわゆる「低迷期」という一番良くない状況だなぁと感じつつも、彼ももう42歳だし大会にも出場が減ってきたし、もうすぐ子供も生まれてくるとなれば「これが現実なのかな」なんて自分の中では納得させてきたのかも。

でも今回のオーダーは違った。違うのは僕の心の中の問題。
オーダーシートを前にしてじっくり考えてみた。
ここまでの彼の波乗り。宮崎の波。彼の喜ぶ顔。興奮した表情。

やっぱりそういう時にアイデアって湧くもので、思うがままに作業してボードが完成した。

ごめん雄一。あれ普通のi-FlexCoreじゃないんだ(笑)

フォームは1枚ものだし、ストリンガー勝手に入れてある。しかも2本も。

 

ボードを初乗りした際、彼から写真付きで感想が届いた。

 

「昨日、チューブ巻き巻きの○○で初下ろししました〜

少し難しいチューブの波質だったので、凄い良いテストが出来た気がします。 はっきり言って、最高に調子良かったです。

前のボードと比べると、チューブの中でのホールド感(テールが踊らない)や 、コントロール性が上がった感じです。 多分、ホールド感は、ビックダブルコンケープとアーチテールのお陰。 コントロール性はアイフレックスコアのお陰ですかね〜

チューブでのホールド感はU1コンケープより、ビックダブルコンケープの方が良い様な気がします。 いつも言ってた様に、ターンの伸びや、スープからのスピードUPは、U1コンケープで、波にピタッとくっ付いて走るのはビックダブルって感じですかね〜

デッキ面の手のホールド感もバッチリでした。 ノーズのグリップは特に良かったです。 そのお陰か解りませんが、 チューブの中で、最後がクローズセクションだったので、チューブの中で判断してコントロールしてボトムに逃げたり出来ましたよ。」

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この違いをすぐにレポートできる。流石だって思った。ホールド感。しかも【テールが踊らない】って狙った通り。ずっと僕の作ったボードを乗ってきた経験から、瞬時に今までのボードとの違いを感じ取っていた。でもさっきも書いた通り、これは普通のi-FlexCoreじゃないんだ(笑)

 

こんななの。
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ついでにごめん。ルーキープロ町君のボードにも勝手に入れた(笑)

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ストリンガーをV字に2本セットした。イメージは【立体感のある骨格】。固く、柔らかく、しなやかなフレックス。

正しい姿勢から生まれるノーズの引きつけ、ターン時のボードのしなる軸、固すぎず腰砕けにならない「抜けのよい」レールエンドのフレックス。

 

騙したわけではなく、僕はライダーとこうしたタイマン(って死語だよね)を続けていきたいと思っています。それが出来ないのはライダーの役割としては不十分。
そして何一つ新しい材料を使った訳ではないこの変化。ボディボードの進化は常に「アイデア」と「挑戦」の試行錯誤から生まれてると思っている。

 

そして今回この変化を生み出した池田雄一プロ、本当にいつもありがとう!

 

このV字ストリンガーセッティング。この春から皆様にも試していただけたら嬉しいと思います。通常のストリンガー2本のオプションです。V字の角度具合によってセッティングが変わるので、ユーザー様の環境やお好みを考慮して作らせていただきます。お気軽にご質問くださいね!

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